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ゲーム『勇者30』(マーベラス・エンターテイメント)

[対応機種:PSP/XboxLiveArcade, 発売年:2009]

 魔王のハメツの呪文のせいで世界滅亡まであと30秒…!超速で敵を倒して超速でレベルを上げて、強欲な女神様にお金を貢いで時を戻してもらいつつ、武器防具を買い、ちょっとしたクエストめいたイベントもこなして、世界滅亡前にボスを倒す!!何から何まで超高速のRPGなのだ。ステージクリア型ではあるのですが、これがちゃんとRPGになっているし、終盤はストーリーも盛り上がってしまう。30秒しかないのに!(女神様に時間を戻してもらえるので実質は数分間なのだけど。)
 グラフィックは昔懐かしいドット絵調。でも安易なレトロ志向でドット絵にしている訳ではなく、このゲームの良い意味でのテキトー&お気軽さと絶妙にマッチしたグラフィックなのだ。

 …なんて説明を書いていると、色物トンデモRPGに思われてしまうかもしれないけど、普通に良く出来ているんです。ゲームバランスもうまい具合。ドラマもある。何でもコンプリートしないと気が済まない私のような人向けのやり込み要素もある。更に、30秒シューティングゲームの王女30や、30秒アクションの騎士30、30リアルタイム・ストラテジーの魔王30といったサイドストーリー的な要素(おまけ以上の十分なボリュームあり)もあって、さらにその後には30秒ではなく…!?

 間違いなくPSPの名作ゲームの1つです。また、2011年には続編『勇者30 SECOND』もリリースされ、基本システムは踏襲しながらもパーティ制になったり、ストーリーが更に壮大になったりとスケールアップしており、こちらもおすすめ!少しだけストーリーが繋がっているためできれば無印からプレイした方がいいけど、secondからでも十分楽しめる内容ですよ~。

LINK:
【勇者30オフィシャルサイト】
【勇者30 second オフィシャルサイト】
【ゲームカタログwiki - 勇者30】

[ 勇者30 ]


[ 勇者30 second ]

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TVアニメ『フィニアスとファーブ』(ディズニー・チャンネル)

 CATVやCSのディズニー・チャンネルで放映しているアメリカ発のアニメ番組(地上波テレ東系やBSのDlifeでも放映中)。1話完結型の30分番組で、映画にもなってます。ポップなデザインの絵柄とキュートなキャラクターたちは子供達にも人気だけど、目まぐるしい展開とシュールなユーモアはむしろ大人向け。
 キャラクター1人1人がとにかく魅力的で、オトナ向けのおバカ要素満載で、街中(時には世界中、宇宙にも、時代を超えたりも)を駆け巡るキャラクターたちの行動が毎回最後の落ちに結びつく良く練られたストーリーと、どの回も非の打ち所のないとっても完成度の高いアニメなのです!

【日本版オフィシャルサイト】
 →本編の無料配信もあります!

フィニアス
 
 超行動派の男の子。飛びぬけた発想力と好奇心からいつも壮大で面白い遊びを思いつき、ファーブと共に同級生たちの中心となって大いに遊びまわったり冒険したりと、楽しいこと第一な主人公。

ファーブ
 
 フィニアスと同い年の義理の弟。無口だが天才的な発明家で、フィニアスの突拍子もないアイデアを実現するマシンを開発する。

カモノハシ・ペリー
 
 フィニアスの家で飼われているカモノハシ。実はドゥーフェンシュマーツの企みを阻止する秘密のエージェントだが、家族は気づいていない。(最近雑貨屋などで見かけるペリーのぬいぐるみが欲しい!)

キャンディス
 
 フィニアスとファーブの姉。フィニアスたちの悪戯をいつもママに言いつけようとするけど、必ずうまく行かない!ママーママーママー!!が口癖。

ドゥーフェンシュマーツ博士
 
 3つの州を支配しようと企む悪の科学者だが、企みは好敵手ペリーに毎回阻まれる。マヌケで憎めない愛すべき悪役。


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アルバム『五月の風』(ナラ・レオン)

Vento De Maio / Nara Leao (1967)

 きょうは、ようやく訪れた一年ぶりの春の香りに鼻がくすぐったくなるような気持ちのよい陽気でした。あまりに気持ちがよいので、お昼前にうとうと午睡しかけつつ、こんな日のこんな時間にはフォーレのヴァイオリン・ソナタだと思ったのですが未だiTunesに取り込んでいなかったらしく、物置の奥からCDを探し出す羽目に。フォーレを探していたはずが、これまたiTunesに見取込みであったナラ・レオンのアルバム『五月の風 』を発見。5月にはまだ早いけど、一足お先に本格的な春を満喫させて貰おうかとこのアルバムを聴くことにしました。
 
 ナラ・レオンは、先日紹介した『トロピカリア』にも参加していたボサノヴァ・シンガー。といっても本人は、社会情勢の不安定だった当時のブラジルにおいて、その能天気さに嫌気がさしボサノヴァを否定したりもしていました。そんな時期にリリースされたアルバムですので、純粋なボサノヴァというよりは、ボサノヴァ以降の洗練さを取り入れたブラジル伝統音楽いった趣の曲が並びます。
 ナラ・レオンのアルバムなら、本格的にボサノヴァと向き合って作られた『Dez Anos Depois(邦題:美しきボサノヴァのミューズ)』が一番のお気に入りなのですが、そちらはもうボサノヴァ史上歴代最高傑作なので別格扱いとして、この『五月の風』も十分に名作といえる出来栄えであります。
 冒頭を飾る明るいサンバ調の「Quem Te Viu, Quem Te Ve」、表題曲でタイトル通りの爽やかな「五月の風(Vento de Maio)」など、ぽかぽかした陽差しのなかを湿気を帯びたそよ風が流れすぎるこの季節にぴったりの曲ばかりです。ナラの、軽やかながらしっとりとした歌唱も堪能するに値するものですが、シコ・ブアルキやドリ・カイミ、シドニー・ミラー、ジルベルト・ジルらによって書かれた曲じたいも彼女の歌声と相性のよい素敵な曲が揃っています。

 なお、私が持っている盤では、ボーナストラックとして、ナラ・レオンとシドニー・ミラーのデュエット曲「A Estrada E O Violeiro」が収録されています。これがまた素晴らしいので、輸入盤を購入される際にはボーナストラックの有無もご注意下さい。まあ、同曲はシドニー・ミラーのアルバムでも聴けるんですけどね。

[ 五月の風 / ナラ・レオン ]




★関連記事(ナラ・レオン関連)
 →アルバム『Tropicalia: Ou Panis et Circenses』(ジルベルト・ジル、カエターノ・ベローゾ他)

漫画『アンダーカレント』(豊田徹也)

 2004~2005年にかけて月刊アフタヌーン誌に連載されていた1完完結の漫画で、ゆったりと進んでいく物語を通した大人の心理描写が非常に上手い作品。1ページ当たりの情報量(絵やセリフ)は少な目であり、往年の日本映画的な静謐な抒情、人物の意識と無意識の境目を読み手にも感じさせる「間」がうまく表現されています。

 主人公は、実家の銭湯を継いだ20代後半くらいの女性かなえ。彼女は、夫と共に銭湯を共同経営していたが、2ヶ月前に何の前触れも置手紙もなく突如夫が失踪し、途方に暮れて銭湯も休業していた。日常を取り戻すべく、また常連さんの要望もあり、とりあえず銭湯を再開したところから物語は始まります。銭湯組合からの紹介で銭湯の手伝いをすることになった男性や、ちょっとした切っ掛けで夫の件の調査依頼をすることになった探偵らと触れ合っていくうちに、かなえは、大学時代からの長年の付き合いであった夫、人柄も良く銭湯のお客さんからもおしどり夫婦と思われていた夫のことを、表面的にしか理解していなかったことに気づき始めます。
 また、気丈に振る舞うかなえですが、「泣いているかなえの元に誰かが現れ、優しくなぐさめてくれ、その誰かにゆっくりと首を絞めながら深い水の中に沈められる」という夢をよく見て、自分はそれを求めていると考えている、深層心理の暗さも明らかになってきます。

 物語は緩やかに流れていき、すっきりとした結末を迎えます。読後は、ひとつの良作映画を見終えたときのように、暫くぼんやりと感慨に耽ってしまうような作品です。
 家族であれ、夫婦であれ、恋人であれ、誰かを理解するとはどういうことなのでしょう?

 タイトルになっている"undercurrent"という単語には、"意識下"という意味があります。また、ビル・エヴァンス&ジム・ホールによる繊細な美しさに満ちたジャズアルバム『undercurrent』とも掛けていると思われます。単行本の表紙もそうですが、作中にも、アルバムジャケット写真を引用したカットが何度か現れます。

[ undercurrent / Bill Evans & Jim Hall ]



 作者の豊田徹也は、2003年に「ゴーグル」という作品でアフタヌーン誌の四季賞を受賞してデビューしました。寡作な漫画家で、この『アンダーカレント』の連載終了2005年以降、2008~2009年に『珈琲時間』というこれまた穏やかなオムニバス作品をアフタヌーンに連載していたのを除くと、たまに読み切り漫画を発表している程度です。このひとの漫画をもっともっと読みたいのですが。。
 それにしても90年代以降の四季賞デビュー組の実力派っぷりは本当に凄い。黒田硫黄、漆原友紀、市川春子、芦奈野ひとし、沙村広明、ひぐちアサ、五十嵐大介、木村紺、小原愼司、石黒正数、真鍋昌平、篠房六郎…。これからも、真に良質な作品を描ける漫画家を発掘できる賞で在り続けて頂きたいです。





★関連記事(アフタヌーン四季賞出身関連)
 →漫画『外天楼』(石黒正数)
 →漫画『茄子』(黒田硫黄)
 →漫画『虫と歌』(市川春子)

ゲーム『428 〜封鎖された渋谷で〜』(セガ/チュンソフト)

[対応機種:Wii/PS3/iOS, 発売年:2008]

 実写の静止画による、渋谷を舞台としたサウンドノベルゲーム。2008年にwii向けに発売さると、独特のザッピング・システム(プレイヤーが、同時間帯の他の場所にシーンを切り替えながらゲームを進める)とそのシナリオの完成度から、とても高い評価を受け、その後PSP版、PS3版、iPhone/iPad版までもがリリースされている名作です。
 システムとしては、98年にセガサターン向けに同社から発売された『街 ~運命の交差点~』を進化させたものですが、同作よりも各登場人物たちのストーリー上の関わりが強くなっており、最終的に全てが結びつく気持ちよさがあります。特に終盤のシナリオの盛り上がりは圧巻です!

 監督は、アドベンチャーゲームのシナリオ・監督として有名なイシイ・ジロウ。プロデューサーは、ドラクエから不思議のダンジョンシリーズや、弟切草などのサウンドノベル・ゲームの生みの親である中村光一。

 正義感の強い熱血新米刑事の加納、理由不明のまま悪漢に追われているおしとやかな美少女ひとみ、元チーマーのヘッドで喧嘩と渋谷を愛する気持ちは滅法強い青年の亜智、ネコの着ぐるみ姿でバイトに励むタマ、娘が誘拐されたウイルス研究者の大沢、自身満々のフリーライター御法川、といった魅力的な登場人物たちの身に降りかかる、ある1日(4/28)の出来事について、同時間帯の彼らの行動を追う形で物語が進んでいきます。始まりはある誘拐事件だったのが、その裏には更に大きな企てが隠されていることが分かっていきます。登場人物たちの強い思いから何気ない行動までもが複雑に絡み合うなか、どうすればその企みを止められるのか!?海外ドラマの『24』とかが好きな方なら必ずハマると思います(実際に制作陣も強い影響を受けているらしい)。

 ちょい役ながら美味しい所を持っていく、田中要次が演じるタクシー運転手がとてもカッコいいのだ!
 なお、クリア後のボーナス・シナリオ(ある方面では有名な我孫子武丸と奈須きのこが手掛けたもの)が2つ付いていますが、それはちょっと蛇足だったと思います。本編は素晴らしいので未プレイの方は是非!

LINK:
【428 オフィシャルサイト】
【ゲームカタログwiki - 428】



     Wii版:
      
     PSP版:
      
     PS3版:
      
     iPhone/iPad版: