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飲料水『ウィルキンソン・ミキシング』

 お酒を割る用の炭酸水WILKINSONあるでしょ、あれのグレープフルーツMIX。
 普通のWILKINSONは糖分の入ってないタダのの炭酸水だけど、これはグレープフルーツ&ハチミツ&ハーブでミックスした炭酸ジュース風味。他の炭酸飲料と比べて甘さが抑えられていて、炭酸強めのスカッと爽快な飲み心地で、すんんんんごく美味しい!コンビニで炭酸飲料の新商品を見かける度に買ってみていた私が遂に出会ったマイ・ベスト・ドリンク!
 そのまま飲んでも美味しいし、ブランデーをこれで割っても美味しいんだから、もう欠かせないねっっ。

[ WILKINSON MIXING ]


 ところが最近、近所の自販機やスーパーから姿を消しつつあって、危機感を覚えた私はすかさずamazonで24本セットの定期おトク便を注文なり。amazonの「定期おトク便」って初めて知ったのだけど、1~6か月の何れかから定期自動注文のスパンを選べて、5%OFF価格になる。いつでも期間変更やキャンセルが可能らしい。私が注文した時はそれで1本あたり¥96、プライム会員だから配送料無料。スーパーで買ってたときとほぼ同じ価格で、重い水分を持ち帰る苦労まで減るんだから初めからこうしておけばよかった。
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アルバム『イミュニティ』(ジョン・ホプキンス)

Immunity / Jon Hopkins [DOMINO Records, 2013]

 昨年(2013年)リリースされたクラブ/エレクトロ系の名盤。

 Tr.2の"Open Eye Signal"を一聴にして全身が痺れ、昨年はこの曲ばかりずうーっと聴いていたのですが、暫くぶりにアルバム全編を通して聴いてみると素晴らしいアルバムではないですか!!
 手持ちの曲がiPhoneに入り切らないため好きな曲だけを選んで入れることになってしまい、結果的にアルバム単位ではなく曲単位で聴くことが多いこの頃、一発で気に入った曲ばかり繰り返し聴くことになり、聴き込んだ結果好きになるという機会が減ってしまっているのは良くないですね。

 Jon Hopkinsは元々ボーダレスなエレクトロ・ミュージシャンですが、このアルバムはクラブ寄り。テクノやダブステ、IDM的な要素も多く入っているけど、本質はエレクトロニカの気持ち良さだと思う。肉体に作用して踊らされるというより、無機質なノイズ系の音の絡み合いから生じる有機的なリズムが、脳と脊髄に直接響くこの快感具合は正しくエレクトロニカ。私の勝手な定義だけどさ。
 アルバム後半では正真正銘エレクトロニカな曲や非常に美しいアンビエント色の入った曲も聴けます。いずれも才能の塊のような曲ばかりで、恐れ入りましたと頭を下げたくなる。アルバムの最後に置かれた表題曲の美しさときたらもう、ライブの最終曲なんかにされたら泣いちゃうな。
 ちなみに、アンビエントなニュアンスが混ざっているのは只の気まぐれなんかではないです。なんせ、元々ピアニストであり、かつブライアン・イーノに認めらて出世されたお方なのですから。美しいピアノ曲も書けてクラブ・ミュージックにも滅法強いって意味ではChilly Gonzalesに並ぶ才人だと思う。
[ Immunity / Jon Hopkins ]





 Tr.2の"Open Eye Signal"は、改めて書くことになるけど本当に素晴らしい曲。個人的な好みで言うと、エレクトロミュージックの中ではAphex Twinの"Windowlicker"、Fennez"Shiseido"、Surkin"Next of Kin"(これは今聴くと少し古臭いけど)に並ぶ最高峰の曲です。

[ Tr2. Open Eye Signal ]

 今年のTaicoClub'14にJon Hopkins出演決定ですってね!他にも、James Holden、Tim Hecker、Panda Bear、高橋幸宏と超豪華な仲間たち、石野卓球…今年も何て楽しそうなラインナップなんだ…。行きたいけど車無し金無しの子連れ遠征は厳しい~。
TaicoClub'14オフィシャルサイト

 Jon Hopkinsは、シアーシャ・ローナンが主演する『How I Live Now』という映画のサントラを担当したようですが、日本公開は未定のようです。
↓映画『How I Live Now』のトレーラー

ゲーム『ザ・ラスト・オブ・アス』(SCE/ノーティドッグ)

[ The Last of Us, 対応機種:PS3, 発売年:2013 ]

 10年に1本レベルの、超々々名作。PS4版(グラフィック向上版)も発売されるらしいですが、PS3本体と同時購入して今すぐにでもプレイすべき大傑作ゲーム!!

 私はファミコン初期からかなりの数のゲームを遊んできましたが、その中でも最高峰と評価できる作品です。2013年のGOTY(Game of the Year)では、最有力候補とみられていたGTA5に圧勝し、世界各国のゲーム誌で圧倒的な評価を得ています。私はこのゲームにあまりに魅了され、立て続けにストーリー4周してしまいました!

 開発は「アンチャーテッド」シリーズで有名なノーティドッグ。アンチャーテッドが映画『インディージョーンズ』なら、このラスト・オブ・アスは映画『レオン』といったところ。
 ゲームシステムとしては、メタルギアシリーズのようなステルスTPSなのですが、難易度ノーマル程度ならアクションやシューティングが苦手な方でも十分楽しめるはずです。落ちている空き瓶やレンガを投げて敵の気が逸れた隙に通り抜けたり、拾った材料で火炎瓶を作って火の海にしてやったりとクリア方法の自由度の高さも優れています。腕に自信のある方はアイテムや弾数がかなり限られたサバイバルモードに挑戦を!
 このゲームの本質はむしろ映画のようなシナリオと演出にあり、それが非常に高いレベルでステルスTPSというゲームシステムの中で表現された"アドベンチャーゲーム"なのです。


 敵がゾンビなので、ありがちなゾンビものホラーゲームに感じられるかもしれませんが、ホラー要素はかなり薄目なので、ホラー耐性ない方でも大丈夫。私はホラーには全く興味も耐性もなく、バイオハザードなんかも面白味を感じないのですが、このゲームの場合、ゾンビは物語上の要素として登場しているだけで、恐怖を楽しむゲームではありません。むしろ、結束して殺しに掛かって来る人間たちの方がやっかいです。 

・ストーリー:
 あるアメリカの郊外で突如謎の感染菌が発生。感染者はゾンビ状態となって人間を襲い、噛まれた者は間違いなく感染してしまう。次から次へと感染が広がり、人類は滅亡の危機に瀕する。それから20年。人々は、感染者から隔離された区域で軍に監視されながらなんとか生活をしている。隔離区域の中は荒れ、人々は疲弊しきっており、軍隊に抵抗する組織ファイアフライや、隔離区域外で凶悪な強盗として生き延びているハンターと呼ばれる者たちも多く現れてきた。
 主人公は中年男性のジョエル。20年前の感染菌発生の騒動の中で大事な一人娘を亡くしている。そんな彼が、ちょっとしたきっかけから、ある少女(エリー)を、遠く離れたファイアフライの拠点まで護衛する任務を請け負うことになった。護衛先の拠点に行くには隔離区域外を通っていく必要があるため、時には感染者やハンター達に襲われる。初めのうちはお互いに心を開かなかった二人だが、目的地を目指して過酷な旅の過程で、徐々に信頼関係が築かれていく。

 JRPGに在りがちな陳腐な信頼関係ではありません。多くのドラマがあり、必然的に生じるリアルで確かな信頼関係です。その見せ方がまた非常に上手なのです。そして、数々の困難を乗り越えて辿り着いた最終目的地でのとあるシーンと、その後のクライマックスシーンでの決断、続くラストシーンは忘れ得ない体験です。

 美しいグラフィック、四季の移ろいが鮮やかに表現されたフィールド、グスターボ・サンタオラヤ(「アモーレス・ペレス」「21g」「バベル」等の映画音楽を手掛けている)による音楽、NPCのリアルな挙動(ちょっとした仕草までよく表現されている)、感染者に見つからないように進む緊張感、撃ち合いの爽快感…これだけでも凄いゲームになり得るのに、そこに名作映画レベルのシナリオと演出が一体化しているのです。

 私はゲームも映画も好きですが、プレステの登場辺りから起こってきた、ゲームを映画に近づけていこうとする方向性はあまり受け入れられませんでした。特にⅧ以降のFFシリーズのように、映画を意識して作られた、しかしとても映画には及ばないチープなシナリオと演出にうんざりし、ゲームは映画に近づくべからず!と強く思うようになっていました。
 その考えは、「ラスト・オブ・アス」によっていともあっさりとひっくり返されました。演出に映画レベルの拘りを持ち、そこにゲーム性を上手く昇華させられる場合に限り、ゲームは映画に近づくべきである!!

・その他の要素
 マルチプレイもオマケ程度でありません。3種類のルールが用意されており、4vs4での対戦になるのですが、他のTPS/FPSマルチプレイと比べて仲間との共闘が非常に重要になります。とても良いバランス調整がなされており、CoD GhostやGTA5など大作マルチプレイゲームが登場したにも関わらず、またLast of Usのマルチに戻って来ている人も多いです。

 有料ダウンロードコンテンツとして、マルチプレイのマップと、シングルプレイの追加シナリオが配信されています。
 シングル本編クリアしたら、まず追加シナリオは必ずプレイすべき。エリーが主人公となり、本編前にあたるシナリオと、本編中で語られなかったある時期のシナリオが並行する形になっています。また、本編ではなかった、プレイヤーとハンターと感染者の三つ巴の戦闘もあり、ハンターと感染者に殺し合わせるなど戦略的な幅も広がっています。



LINK:

映画『憎しみ』(監督:マチュー・カソヴィッツ)

La Haine / DIR:Mathieu Kassovitz [フランス, 1995, 94m]

  "50階から飛び降りた男がいた
  落ちながら彼は確かめ続けた
  ここまでは大丈夫
  ここまでは大丈夫
  ここまでは大丈夫
  だが大事なのは落下ではなく――
  着地だ "
  (作中のユベールのセリフ)

 90年代フランス映画の大傑作。これほどまでにヒリヒリとした、あの時代の空気感をフィルムに焼き付けた映画は後にも先にもない。
 カンヌ映画祭で監督賞、セザール賞では最優秀作品賞を受賞している。

 舞台はパリ郊外の移民や低所得者の暮らす団地。あるアラブ人の青年アブデルが警察に虐げられ重体となった事件がきっかけで、移民系の若者たちを中心とした暴動に発展する。
 モノクロームのフィルムで映し出されるその暴動の様から映画は始まる。ボブ・マーリーの"Burnin' & Lootin''"が流れる。ひとりで扇町ミュージアムシネマでこの映画を観ていた私は、このシーンで既に鳥肌がたった。90年代グランジ以降のヒリヒリした感触がそのままスクリーンから伝わってくる。サイード、ヴィンス、ユベールという3人の若者が、行き詰った現状のクソみたいな生活を脱したく、しかし何もできないイライラが、短いカットのフィルムで切り取られる。

 3人の主役はパリ郊外のリアルな若者だ。サイード・タグマウイの演じるアラブ系移民のサイードは、喧嘩っ早い上にビビりやすい。思考はガキっぽいところがあるが、なんだかんだで3人の中心にいる。
 ヴァンサン・カッセル演じるヴィンスは、キレやすく暴力的な性格。彼は件の暴動のさなかで警察の拳銃を手に入れ、拳銃を所持することでさらに気が大きくなり暴走しがちになる。それを抑えるのがユベール・クンテ演じる黒人のユベール。現状に強い不満を感じてはいるが、この中で最も現実的で大人な性格の持ち主。

 彼らは、こんな世界をぶち壊してやりたいと思っている(作中で"世界は君たちのもの!"と書かれた看板が2度映る。2度目はサイードが"世界はオレたちのもの!"に書き換える)が、しょせんはただのワルガキども。警察に楯突いてみたりするが、勝てるわけもないし、例え警察をぶん殴ったところで結果世界は何ひとつ変わらない。それでも楯突かずにはいられない。しかし、どうやったっていい方向になんて進みようがないのだ。
 3人でパリの街に出た際、ビルの屋上でユベールが口にするのが記事冒頭に書いたセリフだ。現状を脱しようと彼らは足掻いている。足掻けば足掻くほど落ちていく。どこかで諦め、着地をしなくてはならない。地面に叩きつけられる前に。
 パリで終電を逃し、始発まで時間を潰している間に、重体だったアブデルが死んだというニュースが街のテレビから伝えられる。それを見ていた彼らの中で何かが切れたであろうが、3人は黙っている。そして、この映画のラスト5分間のシーン――パリのごろつきに銃を突きつけるヴィンスのやりどころのない憎しみ、ヴィンスを救うユベール、郊外の町に戻り駅から出たところで3人が分かれようとした直後の出来事、この5分間に映画の全てが凝縮される。エンドロールの最中もずっと、自分の中で何かが震えて続けていた。


[ 憎しみ DVD ]

[ 憎しみ Bru-ray ]



 映画のサントラも、マイナーだけどカッコいい。 でもやはり、群を抜いて"Burnin' & Lootin'"のカッコ良さが目立つ。それならいっそボブ・マーリーのアルバムを聴いてしまえ。すげえぞこれも。この曲が収録されているボブ・マーリーのアルバムは『Burnin』かライブ盤『Talkin' Blues』。

カフェオレ/憎しみ Original SoundTrack
BMGビクター (1996-09-21)
売り上げランキング: 736,400


 急に話が変わるが、私が新入社員として配属されたグループで自己紹介をしたとき、映画が好きだと言うと、どんな映画を観るのかと聞かれた。「フランス映画が好き」だなんて言うと気取った奴だと思われるかと不安になりながらも、好きなものはしょうがないのでそのまま言った。杞憂だった。上司は『ぼくの伯父さん』の大ファンであり、先輩はヨーロッパ各地を放浪しながら各地の映画を観ている人だった。特に好きなフランス映画としてこの『憎しみ』を挙げると、その先輩は強く賛同してくれた。彼曰く、フランスには何度か行ったが、あれが本当のパリとパリ郊外の姿だ、と。
 そこの頃、私はこの映画のDVDが欲しくて探したものの廃盤になっており、しかし諦めきれずオークションでプレミア価格の1万数千円で買った。が、直後にリマスター版DVDが2980円でリリースされた…。でも後悔はしていない。私にとっては、1万数千円以上の価値のある映画なのだ。ちなみに現在はブルーレイにもなっている。

 この映画は、マチュー・カソヴィッツ監督の長編2作目にあたる。監督1作目の『カフェ・オレ』は、同作と同じくヴァンサン・カッセルとユベール・クンテが出演しているラブコメ。人種差別問題を汲み入れながらも、さらっと軽く良質のコメディ映画にしてしまうあたり、器用な監督なんだなあと思う。その後の活躍はご存知の通り、『憎しみ』で世界中から注目され、次作『クリムゾン・リバー』が大ヒット。俳優としても成功しており、『憎しみ』とは正反対のかわいい映画『アメリ』で助演したり、トランティニャン主演のノワール映画『天使が隣で眠る夜』ではセザール賞の新人男優賞を受賞もしている。
 ヴァンサン・カッセルも俳優として大出世したが、注目を集めたのはこの映画がきっかけ。モニカ・ベルッチと結婚までしちゃったんだっけ。

漫画『外天楼』(石黒正数)

 読み終えて震える程の漫画はそうそう存在しない。それも、こんなにも線の綺麗な絵柄で、誰にでも取っつき易い内容であるにも関わらず、鋭い切れ味を持った作品となると、他に思い当たらない。

 私が初めて読んだ石黒正数の漫画は『それでも町は廻っている』でした。呑気な女子高生の日常をユーモア溢れるタッチで描く良作です。絵がとても上手く、ライトなユーモアセンスと読みやすいストーリー展開に、とにかく達者な漫画家だなぁと感心し、他の作品も読みたくなりました。
 それで次に手にしたのが、この『外天楼』。全9話からなる短編連作で1冊完結です。ミステリ/SFを扱うのメフィスト誌で2009年~2011年にかけて連載されていたそうです。
 外天楼と呼ばれる古く奇妙な集合住宅が舞台となっており、各話毎に主人公が変わる。少年アリオと友人たちが全知全能を振り絞ってエロ本を獲得しようとする第1話から、宇宙刑事と謎の探偵が活躍する第2話、高スペックロボット欲しさに手持ちのオンボロロボを廃棄してしまい悲しみにくれる女の子が主役の第3話、勢いと調子の良さだけで突き進む新米女性刑事の桜場が活躍しそうで活躍しない第4話、人口生命研究の権威が殺されまたまた桜場刑事が独走してしまうギャグ度高めな第5話と、その殺人事件に進展が見える第6話。この辺りまでは良く出来た1話完結マンガ。
 だが、ここからの怒涛の展開が凄まじい。ネタバレになるのでこれ以上は書けない…。是非読んで見て!としか書けない。特に、伏線が綺麗に回収される話が好きな方にとっては、間違いなく至高の1冊となるはずです。まぎれもない傑作マンガです。

[ 外天楼 / 石黒正数 ]





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