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ゲーム『ザ・ラスト・オブ・アス』(SCE/ノーティドッグ)

[ The Last of Us, 対応機種:PS3, 発売年:2013 ]

 10年に1本レベルの、超々々名作。PS4版(グラフィック向上版)も発売されるらしいですが、PS3本体と同時購入して今すぐにでもプレイすべき大傑作ゲーム!!

 私はファミコン初期からかなりの数のゲームを遊んできましたが、その中でも最高峰と評価できる作品です。2013年のGOTY(Game of the Year)では、最有力候補とみられていたGTA5に圧勝し、世界各国のゲーム誌で圧倒的な評価を得ています。私はこのゲームにあまりに魅了され、立て続けにストーリー4周してしまいました!

 開発は「アンチャーテッド」シリーズで有名なノーティドッグ。アンチャーテッドが映画『インディージョーンズ』なら、このラスト・オブ・アスは映画『レオン』といったところ。
 ゲームシステムとしては、メタルギアシリーズのようなステルスTPSなのですが、難易度ノーマル程度ならアクションやシューティングが苦手な方でも十分楽しめるはずです。落ちている空き瓶やレンガを投げて敵の気が逸れた隙に通り抜けたり、拾った材料で火炎瓶を作って火の海にしてやったりとクリア方法の自由度の高さも優れています。腕に自信のある方はアイテムや弾数がかなり限られたサバイバルモードに挑戦を!
 このゲームの本質はむしろ映画のようなシナリオと演出にあり、それが非常に高いレベルでステルスTPSというゲームシステムの中で表現された"アドベンチャーゲーム"なのです。


 敵がゾンビなので、ありがちなゾンビものホラーゲームに感じられるかもしれませんが、ホラー要素はかなり薄目なので、ホラー耐性ない方でも大丈夫。私はホラーには全く興味も耐性もなく、バイオハザードなんかも面白味を感じないのですが、このゲームの場合、ゾンビは物語上の要素として登場しているだけで、恐怖を楽しむゲームではありません。むしろ、結束して殺しに掛かって来る人間たちの方がやっかいです。 

・ストーリー:
 あるアメリカの郊外で突如謎の感染菌が発生。感染者はゾンビ状態となって人間を襲い、噛まれた者は間違いなく感染してしまう。次から次へと感染が広がり、人類は滅亡の危機に瀕する。それから20年。人々は、感染者から隔離された区域で軍に監視されながらなんとか生活をしている。隔離区域の中は荒れ、人々は疲弊しきっており、軍隊に抵抗する組織ファイアフライや、隔離区域外で凶悪な強盗として生き延びているハンターと呼ばれる者たちも多く現れてきた。
 主人公は中年男性のジョエル。20年前の感染菌発生の騒動の中で大事な一人娘を亡くしている。そんな彼が、ちょっとしたきっかけから、ある少女(エリー)を、遠く離れたファイアフライの拠点まで護衛する任務を請け負うことになった。護衛先の拠点に行くには隔離区域外を通っていく必要があるため、時には感染者やハンター達に襲われる。初めのうちはお互いに心を開かなかった二人だが、目的地を目指して過酷な旅の過程で、徐々に信頼関係が築かれていく。

 JRPGに在りがちな陳腐な信頼関係ではありません。多くのドラマがあり、必然的に生じるリアルで確かな信頼関係です。その見せ方がまた非常に上手なのです。そして、数々の困難を乗り越えて辿り着いた最終目的地でのとあるシーンと、その後のクライマックスシーンでの決断、続くラストシーンは忘れ得ない体験です。

 美しいグラフィック、四季の移ろいが鮮やかに表現されたフィールド、グスターボ・サンタオラヤ(「アモーレス・ペレス」「21g」「バベル」等の映画音楽を手掛けている)による音楽、NPCのリアルな挙動(ちょっとした仕草までよく表現されている)、感染者に見つからないように進む緊張感、撃ち合いの爽快感…これだけでも凄いゲームになり得るのに、そこに名作映画レベルのシナリオと演出が一体化しているのです。

 私はゲームも映画も好きですが、プレステの登場辺りから起こってきた、ゲームを映画に近づけていこうとする方向性はあまり受け入れられませんでした。特にⅧ以降のFFシリーズのように、映画を意識して作られた、しかしとても映画には及ばないチープなシナリオと演出にうんざりし、ゲームは映画に近づくべからず!と強く思うようになっていました。
 その考えは、「ラスト・オブ・アス」によっていともあっさりとひっくり返されました。演出に映画レベルの拘りを持ち、そこにゲーム性を上手く昇華させられる場合に限り、ゲームは映画に近づくべきである!!

・その他の要素
 マルチプレイもオマケ程度でありません。3種類のルールが用意されており、4vs4での対戦になるのですが、他のTPS/FPSマルチプレイと比べて仲間との共闘が非常に重要になります。とても良いバランス調整がなされており、CoD GhostやGTA5など大作マルチプレイゲームが登場したにも関わらず、またLast of Usのマルチに戻って来ている人も多いです。

 有料ダウンロードコンテンツとして、マルチプレイのマップと、シングルプレイの追加シナリオが配信されています。
 シングル本編クリアしたら、まず追加シナリオは必ずプレイすべき。エリーが主人公となり、本編前にあたるシナリオと、本編中で語られなかったある時期のシナリオが並行する形になっています。また、本編ではなかった、プレイヤーとハンターと感染者の三つ巴の戦闘もあり、ハンターと感染者に殺し合わせるなど戦略的な幅も広がっています。



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