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ミックステープ『House of Balloons』(The Weeknd)

House of Balloons / The Weeknd [XO(MIXTAPE), 2011]

 R&BシンガーのThe Weeknd(Weekendとは別モノよ)が、2011年に自身のサイトでフリーダウンロード公開したミックステープ。これが、Pitchforkを始め各方面から脚光を浴び一躍R&B/クラブシーンの期待の新星となりました。
 最近ではミックステープをフリー公開する新人アーティストや、アルバム発売前にレーベルが公式に全曲フリー公開したりと、インターネット上の無料公開によってプロモーション展開することも多くなってきました。日本ではまだまだJASRACさんや旧体質レコード会社さんが頑なに意地張っているせいで、どんどん時代から取り残されていっていますが、そのうち自業自得に陥ってざまぁになるだけ(もうなっている?)なのでまあいいか。

 で、この作品なのですが、ミックステープとはいえ話題になっただけあって相当の完成度なのです。セクシーだけど汗臭くない清潔R&Bな歌声に、近年のインディーロックやチルウェイブ、ダブステップを通過した、ややダークで洗練されたメロウグルーヴなサウンド。まさに現在進行形の感性で作られていて、R&Bというよりクラブミュージックとして聴いた方がしっくり来るかもしれないです。

[ House of Balloons / The Weeknd ]
 現在はミックステープ総合サイトのMIXTAPE MONKEYからダウンロード可能です。


"Tr.4 The Morning" ゆる~いグルーヴがめちゃくくちゃ気持イイ。


メロディアスで官能的な"Tr5. Wicked Games"


スージー&ザ・バンシーズの"Happy House"をサンプリングした"Tr.3 House Of Balloons - Glass Table Girls"


 サンプリングネタとしては他にも、ビーチ・ハウスの"Gila"をサンプリングした"Tr.8 Loft Music"や、コクトー・ツインズの"Cherry Coloured Funk"をサンプリングした"Tr.9 The Knowing"など、インディーシーンからの上手な借用が多いです。


 The Weekndは昨年(2013年)、『Kiss Land』という新作アルバムを発表しており、この『House of Balloons』より多少クラブ感が薄まって、より一般層にアピールできそうなアルバムになっていました。うまく当たると世界のメジャーシーンでもブレイクできちゃうかもな予感もあります(本人がそれを目指しているかはともかくとして)。

[ House of Balloons / The Weeknd ]




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